寒中お見舞い申し上げます。満開経営応援R&Dコンサルタントの櫻田登紀子です。
昨日から故郷の愛知県豊田市に来ています。
朝起きたら一面銀世界でした。
寒い冬に白い花が咲き乱れているようでとても美しいです。
(ちょっと帰りが心配ですが・・・)

前回は、ピグマリオン効果について書きました。
今回は、ある新商品開発の事例についてお伝えします。
皆さんは「本生おろしわさび」をご存知ですか。
1987年に販売開始され、今となっては当たり前に手に取ることができる商品です。
ところがかつては、家庭で使うわさびといえば缶入りの粉わさびで、材料は西洋わさびしかなかったのです。
わさびをいただくためには、缶から粉を取り出し、水に溶く必要がありました。
面倒なうえにあまり美味しくなかった記憶があります。
水で溶く必要がなく、美味しいわさびが食べたい。
消費者のニーズは明らかでした。

でも、以下の2つの問題があり製品化することができませんでした。

(1)生の原料をチューブに詰めて常温流通する技術がきわめて難しい
(2)本わさびの希少性が高く、原料として使用するためには供給量とコストから困難

上記に対して、開発者は様々な創意工夫と洞察力を駆使して以下のように解決しました。

(1)社内で持たない技術だったためパートナー企業と提携して解決
(2)台湾産の安価な本わさびの存在を発見

こうして、「本生おろしわさび」が誕生しました。
パッケージには筆文字を使用し、金箔やシズル感のある写真を使って消費者においしさを訴求しました。
最初の1年間は赤字だったそうですが、定番品となったため2年目には黒字に転換したそうです。

上述の(1)や(2)については、カクテルパーティ効果というものも影響しています。

カクテルパーティ効果とは、
たくさんの人がそれぞれに雑談しているなかでも、自分が興味のある人の会話、自分の名前などは、自然と聞き取ることができる
ことが転じて、
その願いが強ければ強いほど
その商品関わるどんな情報も漏らすまいとする
その商品に関わるどんな意見もきちんと耳を傾ける
その商品に関わるどんな些細なことにもこだわる
という意味です。

誰にでもひらめきやアイディアはあると思いますが、
それを実際に商品化し、ヒットさせるためには、
その商品にどれだけ拘れるか、どれだけの思いを込められるかが鍵となります。

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